魚肉たんぱく同盟コラムVol.49
「下りを青学のストロングポイントに」。青山学院大・石川選手に聞く、第102回箱根駅伝優勝を支えた食事とマインド
2026.07.28
2026年1月2・3日に行われた、第102回箱根駅伝。各大学のトップランナーが集結するなか、3年連続9度目の総合優勝を飾ったのが、青山学院大学だ。「魚肉たんぱく同盟コラム」では、6区を走った1年生の石川浩輝選手を直撃。レースの感想から今後の目標について、話を聞いた。
石川浩輝 選手プロフィール
2006年10月28日生まれ、埼玉県出身。小学校から陸上を始め、佐久長聖高校を経て青山学院大学に進学。初めての箱根駅伝は山下りの6区を担い、トップで襷を繋いだ。
―― まずは優勝おめでとうございます。1年生から山下りを任され、トップで襷を繋ぎました。まずは率直な感想を教えてください。
陸上を始めた頃から憧れていた舞台だったので嬉しかったですし、結構楽しく走ることができました。実は元から緊張をしないタイプで、箱根についても全く緊張することなく、プレッシャーもあまりなく走ることができたと思います。
―― あれだけの大舞台でも、緊張しない強さをお持ちなんですね。
はい、緊張しないですし、これまでも含めてあまり大きくタイムを外すってことが無いので、今回も自信を持って臨むことができました。
―― 走っている最中で焦るようなこともありませんでしたか?
最初の5キロの入りが想定より20秒ほど遅かったので、「大丈夫かな」と少し焦ったのですが、下りに入ってしまえば自分の得意な領域というのもわかっていました。結果的にも順調に下れたかなと思います。
―― 6区のランナーにとっては小田原中継所がゴール地点になります。何かイメージや思い出はありますか?
6区はラスト数百メートルになったところで「鈴廣かまぼこ」という看板が見えますよね。あれが目に入ってきたときに「あともうちょっとで終わっちゃうんだな」と思いました。ただ、いざそう思ってからが長いというか、看板は見えているはずなのになかなかゴールが来ない(笑)。そのしんどさはありました。
―― それでも無事にトップで襷を繋ぎました。どんな気持ちでしたか?
7区の佐藤さんの姿が見えたときにはホッとしましたね。
監督には結構前から「下り(の担当)で行くぞ」ということを言われていて、そこから気持ちの整理をしていって、本番を迎えました。そういう点からも、走り終わった時にはホッとした気持ちが強かったです。
―― さて、先ほど箱根駅伝について「陸上を始めたときからの憧れ」といった発言もありましたが、石川選手が陸上を始められたのはいつ頃ですか?
小学校2年生の時です。
幼稚園の頃から運動が盛んな園に通っていて、そこのマラソン大会でも早いほうでした。サッカーをやったこともあったのですが、あまり自分には合わなかったのもあって、「足が速いのを生かせたらいいな」と地元の陸上クラブに入りました。
―― そこからの競技人生は順調でしたか?

正直、順調とも言えないことが何度かありました。小学校の頃は楽しくやれていたのですが、中1で出た関東大会では決勝でボロボロに負けて、中3の時にも全国大会の決勝まで進めたのですが、全然勝てなくて。
さらに高校に進学してからは、1年生と2年生の時期を怪我で棒に振りました。3年生でようやく思うように走れた、という感じだったんです。
―― それでも箱根駅伝への思いは諦めず、青山学院大学への進学も叶いました。青山学院大学の決め手はどんなところからでしたか?
箱根駅伝で勝ちたいという思いをずっと抱いてきた中で、青山学院大学からお誘いをいただきました。もうその段階で高校の監督には「青学にします。他の大学からの誘いは断ってもらって大丈夫です」と伝えたくらい、迷いは無かったです。
その理由は、「駅伝で勝ちたい」という思いが何よりも強かったからです。トラック競技で世界を目指すといった方向もあったかもしれませんが、自分は何よりも駅伝が好きでしたし、駅伝を走って勝つことに一番の憧れがありました。あとは先輩の宇田川さんが自分と同じ埼玉県出身で、知り合いでもあり憧れていた存在でもあったので、一緒に競技ができるという点も大きかったです。
―― 食事に関してもぜひお聞かせください。普段から心掛けていることはありますか?

自分は高校の時から貧血気味で、鉄分は多く摂るように心掛けています。できるだけ食事から摂るようにはしていて、コンビニや外食でもレバーの入ったメニューがあればそれを選びます。
あとは食事量的なところでいくと、元々は小食なのですが、今は身体のために一定量を食べるように心掛けています。実は昨年12月にアキレス腱を故障してしまって、トレーナーさんに相談したところ、「米の量を増やした方がいい」とアドバイスをいただいて。そこからは毎食300g摂るようにしています。
―― 肉や魚はよく召し上がりますか?
肉も好きですし、魚もよく食べたくなります。焼き魚が多いかもしれないです。
あとはお腹が空いたときに魚肉ソーセージを食べています。一般的なおやつより身体にもいいかなというのが理由です。
―― 今は寮食が中心かと思いますが、何かご自身で足されているものはありますか?
納豆とキムチ、卵は冷蔵庫にストックしていて、食事のバランスや練習の強度に応じて足せるようにしています。納豆はビタミンKが含まれていますし、卵は完全栄養食ですし。キムチは周りでも疲れたときだったり勝負飯だったりに取り入れているのを見るので、自分も摂るようになりました。
―― 食事や栄養に関する情報はどのように得ていますか?
スマホで調べることもありますし、青学の場合は栄養面もフォローしてくださるトレーナーさんがいるので、アドバイスをいただくこともあります。あとは定期的に講習会もあるので、こまめに情報を得て、自分の競技生活に生かしています。
全体的に青学はフォロー体制がしっかりしているので、故障などで困ったときにも、色々なトレーナーさんに相談して色々な意見をお聞きすることができました。先ほども触れたように、箱根駅伝の前も故障に悩みましたが、それでも無事に走れたのはサポートがあったおかげです。
―― それでは最後に、石川選手の今後の目標についてお聞かせください。
今回の箱根駅伝はうまくいったとも言える一方で、走力の足りないところが出てしまって、最初の入りとラストの3キロは記録を伸ばすことができませんでした。自分にはまだあと3年間あるので、一年一年、まずはしっかり平地の走力をつけていきたいですし、そのうえで下りを極めていきたいです。来年は(黒田)朝日さんも抜けますから、自分が下りを青学のストロングポイントにできるように、それでまた総合優勝ができればいいなと思っています。
河合萌花
フリーライター。教育系出版社、大手広告代理店を経て現職。インタビューライティングを主とする他、看護師資格やサッカー指導者ライセンスを生かしたスポーツ・ヘルスケア領域の執筆も多い。
